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アメリカで「盗まれたと考えられていたアポロ時代の NASA の数百のテープ群とコンピュータがアメリカのピッツバーグの地下室から発見された」ことが報じられていたことに遡ります。
かつて NASA のデータ作業を管轄していた IBM で働いていたエンジニアの住んでいた地下室から発見されたものでした。
下はそれが発見された時の 7月14日の報道です。
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宇宙競争の中で使用された数百本にのぼる内容不明の謎のテープと、アポロ計画で使用された2つのコンピュータを破棄したと NASA は最近文書で発表した。
これらのテープとコンピュータ群は、世界初の木星探査機であるパイオニア 10号とパイオニア 11号の土星と木星探査に関しての記録、そして、アポロ計画について記録されているものだった。
NASA は、これらに収められている記録には歴史的価値がなく、また、これらのテープを回復させるのが難しかったために破壊・破棄したと述べている。
NASA は 2015年にも、アポロなどの記録テープを消去・破棄しているが、今回のこれらの行為は、陰謀論を主張する人々に「 NASA は何かを隠しており、そのために記録を破棄したのではないか」とする関心を引き起こしている。
長い間失われていたこれらのテープとファイル群は、IBM でエンジニアをしていた人物の地下室に 50年以上保存されていたことが今回判明した。このエンジニアは、ピッツバーグにある IBM アレゲニーセンターに所属しており、 1960年代から 1970年代に NASA に勤務していた。
科学メディア「 Ars テクニカ」によれば、このエンジニアが死亡したのは 2015年で、この地下室の物たちは、その時にスクラップ業者に遺贈されていた。
エンジニアの相続人は、スクラップ業者に「これらの貴重なものは盗まれて紛失しているのではないことを( NASA に)伝えて下さい」と語ったと記録されている。
スクラップ業者は、2015年のクリスマスに「正しいことをしたい」として、これらの NASA のテープやコンピュータを自分が保管していることを NASA のゴダード宇宙飛行センターとジェット推進研究所に連絡した。
文書によれば、そのエンジニアは、IBM が 1968年から 1972年の間に NASA のそれらの資料を廃棄し続けていたため、そのテープやコンピュータ群の一部を(廃棄するくらいなら)自分が所有することができるかどうか尋ねると、「構わない」と言われたのだという。
今回、ピッツバーグの地下室で発見されたファイル群を調べるために NASA のスタッフたちがやって来たが、そのほとんどの磁気テープが 1967年から 1974年の間のものであることを発見した。
報告書によると、その後、 NASA の当局者は、すべてのテープを破壊・破棄するように命じた。
当局は「これらの資料が歴史的に重要であることを示唆する証拠はない。すべてのテープを即時の破壊によって処分することを推奨する」と破棄を強く勧めた。
NASA のファイル担当者によれば、これらのテープ群を調べると、保存されているデータを復元するためには非常にコストがかかることもわかったという。また、仮に、コストをかけて復元したとしても、リールから何かのデータが得られる保証もないと述べている。
地下室に保存されていた2台のコンピュータのうちの1台は非常に重いために、地下室から取り外すためにクレーンが必要だった。ところが、このコンピュータについていた NASA との契約番号「 NAS5 – 2154 」は、アメリカ政府の記録には存在しないものだった。
これらの一連の公式文書は、陰謀論を主張する人々によって、さまざまな疑念を呼び起こしている。
インターネット上には、これらの NASA の行為について、非難するものもあれば、60年の年月を経たコンピュータデータは使いものにならないとして、理解を示す人たちもいる。
しかし、検証も経ずに「即時のデータ破壊」を指令した NASA に対しては疑問の声も多い。

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