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動物の胚にヒトの幹細胞を注入して移植用臓器を成長させる研究に新たな一歩

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米Salkは26日(現地時間)、遺伝子工学と幹細胞の技術を応用し胚の時点から宿主になる動物の体内で目的の臓器を育てる技術を発表した。この技術により、複雑な移植用臓器をヒトからヒトへの生体臓器移植や死亡臓器移植に頼らずに得られる可能性がある。同手法についての論文は、著名な医学・生物学のジャーナル「Cell」誌に投稿されている。

iPS細胞やES細胞などの幹細胞を用い、移植用の臓器を得るための研究はこれまでもなされてきたが、心臓や腎臓などの臓器は複雑な構造をとるため、本来臓器が形作られる生体内の環境を再現する必要がある。通常、臓器が胚細胞から分化し、形作られるまでには周辺の組織からホルモンなどによって多分に影響を受ける。しかし、実験室的にこの生体内の環境を再現することは困難であり、移植用臓器を「製作」する上での課題となっていた。

Salkの研究者らは、生体内の環境を再現するのではなく、実際に生きた宿主を用意することにした。まず、宿主となる生物の胚細胞の目的の臓器を作る遺伝子を不活性化し、そこで目的の臓器を必要としている種の幹細胞を注入した後、代理母に託す。注入された細胞は、目的の臓器の遺伝子を持っているため、幹細胞が分裂することで必要としている形質をもった臓器、すなわちレシピエントに適合した臓器が得られるというものだ。

実験では、ラットとマウスを用いて膵臓の製作に成功している。研究チームは次いで、眼球や心臓といったより高度な臓器を製作することを見据えている。ラットの幹細胞を導入されたマウスは健康で、寿命も通常と差がなく臓器の形成が正常に行なわれたことが示されている。ヒト細胞を豚に導入する実験も試みられたが、倫理的な観点から4週間目で一旦休止となったものの、依然ヒトと動物への応用に期待が高まっている。

また、実験中に思わぬ副産物を生み出していることも報告されている。この手法を用い、マウスを宿主としてラットの幹細胞を注入したところ、ラットの胆嚢が得られたことだ。ラットは進化の過程で胆嚢が退化しているため、胆嚢が見られないことが知られているが、今回発見されたラットの胆嚢はラットの遺伝子の中に眠る「幻の形質」を呼び覚ましたことになる。

これにより、研究者らはラットが胆嚢を作るための遺伝情報を持ちながら通常胆嚢を持たないのは、ラットの生体内の環境により、胆嚢を作ることが抑制されているためであるということを実証することになった。

【Impress Watch】

◆詳細URL: http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/1041332.html
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