鹿児島県屋久島でサルとシカの交尾行動を観察した論文が発表されました。種が大きく離れた生物間での交尾は珍しく、科学研究として記録されたのは今回が2例目。
研究チームはニホンザルの亜種にあたり、屋久島に生息しているヤクシマザルを観察。2頭の雌ジカにまたがり交尾しようとしていた雄ザルの事例を学術誌「Primates」で報告しました。
シカの1頭は抵抗せず、サルは10分間にわたって交尾行動を見せていたとのこと。撮影された動画や写真では、シカのお尻のあたりで腰を動かしている様子が確認できます。なお、身体のつくりが違うためか、挿入は行なわれていません。もう1頭は回転したり走ったりしてサルを振り落とそうとし「sexual behaviour(性的な行動)」を受け入れませんでした。
論文では異種間での交尾行動が発生した理由として、雄ザルが群れに属しておらず、雌との接触が制限されていたこと、繁殖期を迎えていたことを挙げています。また、同個体が仲間を守るときのようにシカに近付く他のサルたちを追い払う行動を見せていたことなどから、研究チームはサルとシカが調和的な関係を築いているのではないかと推測しているようです。
_______________________________________________________________

____________________________________________________________

この記事へのコメント