
京都三大火祭りの一つ「お松明(たいまつ)式」が15日、京都市右京区の清凉寺で営まれた。夜になって吐く息が白くなるほど冷え込む中、炎がバチバチと勢いよく音を立て、雲がほとんどない夜空を明るく照らして春の訪れを告げた。
釈迦(しゃか)が入滅した日に遺徳をしのぶ「涅槃会(ねはんえ)」の行事として毎年開催。釈迦が荼毘(だび)に付される様子を表しているとされ、火の燃え方の強弱でその年の農作物の豊凶を占う。
本堂で法要が営まれた後、僧侶らが境内を練り歩き、早稲(わせ)、中稲(なかて)、晩稲(おくて)に見立てた高さ約7メートルの大松明3基に点火。勢いよく燃え始めて大量の火の粉が舞い上がると、参拝者から「すごい」などと歓声が上がり、夢中でカメラのシャッターを切る人もいた。
横浜市から訪れた不動産会社経営上原昇さん(66)は「炎の勢いがすごくて近くで見ていると怖かったが、祭りを境に日ごとに春めいていくと聞き心が和みます」と話した。
「嵯峨釈迦堂(さがしゃかどう)」の名で親しまれている「清涼寺」で毎年3月15日に営まれている「涅槃会(ねはんえ)」に今年も行ってきました。目的は「五山送り火」と「鞍馬の火祭」と並んで京都三大火祭に数えられる「お松明式」を見るためです。高さ7メートルもある逆三角錐型の巨大松明を境内に三本も立てて焚き上げて、午前10時から始まった「涅槃会」の最後を勇壮に締めくくります。高張提灯の高さは15時にクジで決めます。昔はこの高低で一年間の米相場を予想していたそうです。現代なら日経平均株価でしょうか。

松明の中に火が放り込まれると、内側から一気に強い炎が吹き上げはじめ、激しい炎が生み出す上昇気流に乗って、真っ赤に輝いて飛び散ちっていく火の粉は、夜空高く舞い上がっていきます。昔は3本の松明の火勢で今年の米が豊作になるかを占っていたそうです。吉田神社「節分祭-火炉祭-の縁起物で作った火炉も大きかったですが、清涼寺の松明は燃えやすい松葉なので火勢も煙も火の粉もこちらが圧倒的に勝っています。

境内に読経と歓声が響く中で、巨大松明は煌煌と闇を照らし、後から後から火の粉が生まれて、輝いて、消えて、それが繰り返えされていく姿を見ていると、それがまるで生命の有り様そのものではないかと気付きました。この火の粉を浴びると無病息災のご利益があるとされていますが、熱ですぐ溶ける化繊の上着が多い昨今は、松明の火勢が強まるとみんな慌てて逃げていました。スゴい迫力でした。
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