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日経平均は1万3000円台まで下落の可能性も否定できない

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 日経平均は15日に急反発した後、1万6000円を挟んで方向感の定まらない展開が続く。今後の相場はどう推移するのか。ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストに聞いた。

 日経平均株価は年内に1万3000円台までの値下がりもありそうだ。あくまでも「条件付きのメーンシナリオ」だが、同水準までの下落も想定しておいたほうがいいだろう。

 「条件」とは米国の景気後退だ。同国の景気先行指数は足元で伸びが鈍化。2016年のうちにピークアウトする公算が大きい。同指数は1960年以降、右下がりになると平均して9カ月後に景気後退局面入りしている。つまり、このままだと、2017年のいずれかのタイミングで後退期に入る可能性があるというわけだ。

 ドルや米国株式は景気後退に対して早めに反応するだろう。経済状態が悪いとなれば、同国の連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに踏み切るとしてもせいぜい12月に1回だけ。年内は見送るケースもありうる。これに伴ってドル安観測が台頭すれば、日本企業も業績見通しを引き下げざるをえない。

 来17年3月期の期初段階では「前期見込み比横ばい、ないしは2%の微増益」といった予想が出てくるだろう。今のところ、減益計画を公表するほどの弱材料も見当たらないからだ。

 問題なのは先行きである。第2四半期累計(4~9月)決算公表時には減益見通しへ下振れするとみている。その時点でのドル・円相場の前提は1ドル=110円前後だろう。

 今16年3月期のドル・円相場の平均は1ドル=120円程度で着地しそうだ。試算によると、1円の円高で企業の一株利益(EPS)は16.2円減少。つまり、110円まで円高に振れると、来期のEPSは162円押し下げられる。今期のEPSは約1200円程度。162円のマイナスになれば、EPSの減少率は13.5%。来期は2ケタ減益になってしまう計算だ。

■ 信用リスク拡大の不安も

 従来の「横ばいないし増益」予想から一転して減益見通しとなれば、心理面に及ぼすマイナスのインパクトも大きそう。そうなると、投資家心理の悪化を受けて株価収益率(PER)も現在の14倍台から切り下がってしまうかもしれない。

 その際のPERのメドは13倍。12日に日経平均が1万5000円を割り込んだときの水準だ。来期予想EPSの1038円に13倍を掛けると、日経平均は1万3500円弱ということになる。

 春先から夏場にかけては株価が上昇するだろう。春闘の結果を踏まえて、日銀が4月にもETFの買い入れ枠増額などなんらかの追加金融緩和措置を講じるとみられるためだ。5~6月には日経平均が1万7000~1万8000円まで回復することも考えられる。だが、その後は厳しい局面を迎えそうだ。

 来期のドル・円相場が115円までの円上昇ならば、EPSは81円の減少。7%弱の減益にとどまる。14倍のPERではじき出した日経平均は1万5666円。同水準前後で下げ止まる、というのがメーンシナリオである。

 だが、原油価格の低迷を背景にシェール関連企業の収益環境が悪化。借り換えができず連鎖的なデフォルトに陥るなど、「信用リスク」拡大への警戒も怠れない。今のマーケットには必要以上に悲観へと傾いてしまう恐怖がある。

 (聞き手:会社四季報オンライン編集部 )

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