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サウジなどの増産凍結、原油価格への影響は【ウォール・ストリート・ジャーナル】

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原油市場で変わる部分が増えても、その分だけ変化しない部分も多くなる。サウジアラビア、ロシア、カタール、ベネズエラの主要産油4カ国が16日合意した生産量据え置きの意味は象徴的なものにとどまるか、あるいは、まったくないだろう。

 このため、同合意の報を受け、16日のブレント原油価格は一時1バレル=35ドル台に上昇したが、すぐにこの上げ幅を失ったのも無理はない。

 サウジアラビアはこの1年半近く、原油価格支持のための産油国間の生産調整を受け入れなかった。このため今回の4カ国合意にサプライズ的な価値はあったが、それは複数の要因にかき消されてしまった。第一の要因は、市場は減産を期待していたのに、結果は1月の生産水準での据え置きだったことだ。

 第二は、この据え置きがとりわけ高水準の生産量で設定されたことだ。ロシアはこのところソ連崩壊後の最高水準で生産していたため、一部油田での自然減を踏まえても、今年の産油量はほぼ横ばいが予想されていた。残る3か国も現有の油田ですでにフル生産体制を取っていた。国際エネルギー機関(IEA)によると、カタールは生産能力一杯での生産となっている。ベネズエラもそれに近い。サウジアラビアに生産余力はあるが、これを維持したいと考えているだろう。市場で主導権を発揮したい場合に力の源泉となるからだ。

 第三の理由は、今回の凍結合意は他の大手産油国の動向に影響されてしまうことだ。特に経済制裁が解除されたイランが、産油量拡大の抑制に応じる可能性は極めて低いとみられる。

 バークレイズによると、同国は現在日量130万バレルを輸出しているが、約1カ月後までに同150万バレル、今年後半には制裁前の同200万バレル程度の水準に増やす意向だ。今回、サウジが突然、他の産油国と戦略的歩み寄りを行ったことで、同地域最大のライバルであるイランの立場は微妙なものとなった。

 サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相が16日の合意を、「プロセスの始まり」と評したことは、さらに強力な調整が実施されるとの期待を高めた。ただ、同国が昨年末にかけ、ここ数十年で初めて国内の燃料価格を引き上げたことは、(生産調整による)迅速な解決よりも市場シェアを維持する戦略に依然固執していることを示唆している。

 実際、サウジの態度軟化は、言われていたほど原油需要が低価格に反応していないことへの懸念の反映とも読める。原油需要は昨夏のドライブシーズン後、明らかに弱まっている。この事実は、原油価格の反発(原油安で弱体化している米国のシェール業者にとって朗報となる)を心配せず、サウジが協調を希望する他の産油国と調整する余地を広げたともいえる。

 16日の合意は原油相場弱気派にとって、サウジなどの産油国から不規則的なサプライズが生じうるということを思い起こさせるものだった。しかし、産油量据え置きはまだ、強気派にとって冬の終わりを告げる朗報というわけでもない。

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