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英国がEU離脱? =そもそも何が問題か

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 キャメロン英首相が欧州連合(EU)離脱回避に向けて要求するEU改革案が18、19の両日、ブリュッセルでのEU首脳会議で議論される。何が問題になっているのだろうか。
 ―国民投票をする? 
 欧州債務危機をきっかけに、独仏を中心にしたユーロ圏は、危ない債券を売ってもうけていた金融機関への規制を強化しようとし始めた。金融街シティーが経済の柱の英国にとって、死活問題になりかねない。世論の反EU感情が強まり、英国のEU離脱を目指す英独立党(UKIP)が保守党から支持者を奪い始めた。焦ったキャメロン首相は2013年1月、次の総選挙で勝てば17年末までにEU離脱の是非を問う国民投票を実施すると約束した。
 ―そんなに追い詰められていたのか。
 英国は、欧州で越境の自由を認めるシェンゲン協定にも、統一通貨ユーロにも不参加で、EUで「独自の立ち位置」(外交筋)を続けてきた。ただ、21世紀に入った時に15カ国だったEUは今や28カ国体制になって、独仏主導の流れが強まる中、存在感は薄れがちだ。
 ―英国の要求とは。
 キャメロン首相がEU離脱を望んでいるわけではない。EUが「改革」するなら残留するという立場だ。15年5月の総選挙に勝ったのを受け、キャメロン首相は11月、(1)非ユーロ圏諸国の権利保護(2)規制緩和によるEU競争力の向上(3)各国議会の権限強化(4)移民への社会保障の4年間制限―などを柱とする改革要求、いわゆる「4項目」をEUに突き付けた。
 ―EUの対応は。
 EUのトゥスク大統領は2日、移民急増で過度な負担が生じる「例外的状況」が起きた場合、他の加盟国が同意すれば、移民の社会保障制限を認める妥協案を提示。また、EUの法案に対し、加盟国の議会で55%以上の反対があれば、拒否できる制度にも言及した。こうしたEU側提案を踏まえ、首脳会議で議論が行われる。
 ―首脳会議の展望は。
 EU各国も英国の離脱は望んでいない。ただ、移民に対する福祉制限には移民を送り出す東欧が反発している。
 ―国民投票の見通しは。
 今月中に改革案で合意できれば、その勢いでキャメロン首相は6月下旬の実施に踏み切りそうだ。しかし、YouGov社の最近の世論調査ではEU離脱支持が9ポイントほど優勢で、結果は予断を許さない。仮にEU離脱となれば「住民の大半が離脱反対のスコットランドでは独立機運が再燃しかねない。英国分裂にもなりかねず影響は甚大だ」と外交筋は指摘している。

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