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問題児に転落したドイツ銀のハイブリッド債

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ドイツ銀行(DBKGn.DE)の利払いをめぐる騒ぎを機に、金融規制の看板娘だったはずの新型ハイブリッド債が、一転して問題児に姿を変えようとしている。

ドイツ銀は8日、「CoCo債(偶発転換社債)」の一種であるAT1債(その他Tier1債)の利払いが遅れるという懸念の火消しに努めた。同行がこうしたハイブリッド債の利払いを中止したとしても、本来なら一大事ではないはずだ。同行は昨年秋、普通株の配当支払いを2年間中止すると発表しているし、AT1債はそもそも、同行が健全性を保ちながら損失を吸収するために設計されたものだ。2008年に世を騒がせたようなハイブリット証券との違いはここにある。ところが、新型ハイブリッド債の損失吸収機能が発動(トリガー)される可能性があると知って、市場のボラティリティは抑えられるどころか、かえって高まっているのだ。

銀行株は経済成長への懸念を背景に下落し続けてきた。その波がついに、AT1債にまで及び始めた格好だ。ドイツ銀は収益率が低く、資本が比較的薄い上、ドイツのAT1債会計の特殊性がもたらす不透明感も加わり、とりわけ売られやすい状態にある。

ドイツ銀の永久債(AT1債)は表面利率が6%だ。1月初め、同債の予想償還期限は2022年で、利回りは7%前後だった。しかし株価が下がると、投資家はAT1債に株式並みの利回りを要求するようになり、価格は下がった。利回りが上がると、ドイツ銀が2022年にこの債券を償還(コール)しない可能性が高まるので、予想償還期限は伸び、投資家の損失は大きくなった。そして最後に利払い停止の懸念が再燃し、短期的なキャッシュフローが減っているのではないかとの懸念が広がった。最初は比較的短期の債券であるかに見えた証券が、長期のゼロクーポン商品に変化する恐れが出てきたわけだ。年初に額面の93%だった価格は、8日には72%まで下がった。

規制当局、投資家の双方にとって問題なのは、こうした一切合財が無限ループを生み出していることだ。AT1債の価格が下がったとき、投資家は売る先がほとんど見つからない。銀行は、仲間の銀行が発行した低落した債券のマーケットメークなど行いたくないし、ハイブリッド債の大口の買い手であるアジアのプライベートバンクは、8日は春節で休みに入っていた。投資家は仕方なくクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を取引した。この結果ドイツ銀のシニアCDSスプレッドは270ベーシスポイント(bp)超と、ユーロ圏債務危機以来の水準に上昇した。とはいえ、ドイツ銀が破綻する可能性はまず考えられない。同行の有形資産の簿価は530億ユーロと、2011年に比べて40%も増えている。

AT1債の死のスパイラルは、現在の市場の激動に鑑みれば小さな構成要素に過ぎない。しかしこの一件は、株式を債券であるかのように装うことのリスクを浮き彫りにした。規制当局は、新顔のハイブリッド証券が危機前のそれよりも損失吸収に役立つと期待した。確かに証券自体の損失吸収能力は高まったが、市場はそうではない。
*ドイツ銀行は8日、2017年にAT1債の利払い43億ユーロを実施できるだけの資金を備えていると発表した。表面利率6%の永久債であるAT1債は8日、額面の72%まで下落した。年初の価格は93%だった。

*ドイツ銀の期間10年のCDSスプレッドは8日、277bpと、2011年11月以来の高水準に達した。1月13日にはスプレッドが128bpだった。

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