
一般に、暑い地方に住む人々は明るく開放的な性格をしているため、性行為に対しても開放的で情熱的だという意見があります。
確かに、実際のところは分かりませんが、彼らは明るく開放的に見えます。ですが、本当に性行為に対してもオープンな性格をしているのでしょうか?
実は、心理学の研究はこのイメージについて否定的な研究結果を示しています。
気温の高さと感染
心理学では、赤道に近い地域に住む女性と、赤道から離れた寒い地域に住む女性のどちらが性に開放的かを比較した研究があります。
すると、熱帯に住む女性は寒帯に住む女性に比べて生涯に性交渉をする人数が3分の1近くも少ないことが分かりました。つまり、暑い地域に住む女性は性行為に対して保守的だということです。
これはどういうことでしょうか?
気温が高い地帯というのは、一般に病気などの感染源が多く、また一度感染すると感染が広がりやすい気候と言えます。
そのため、暑い地方の女性は自分の身体や子どもを感染から守るために、性に保守的になるのだとされています。
一方で、寒帯など寒い地方では、病気などに感染する危険性がグッと低くなりますそのため寒い地方に住む女性はむしろ性に対して開放的になるのだそうです。
男性はどうなるのか?
一方で、男性は女性と逆の行動を示します。
つまり、女性が性行為に保守的な熱帯地方の男性は性に対して開放的になり、女性が性行為に開放的な寒帯地方の男性は性に対して保守的になります。
なぜなら、女性が性行為に保守的な場合は、男性が積極的に行動していかなければ子どもを作ることはできませんし、女性が性行為に対してオープンな場合は、男性が積極的にならずとも、子どもを作ることができるからです。
このように、一般的に男性の進化は女性がどのように行動するかという事に対応してきた歴史があります。
もちろん、男性に合わせて女性が進化してきた例もあるので、女性と男性は進化的にも相互に影響を与えてきたのだとされています。
まとめ
ただし、この研究結果を理解する際には注意すべき点があります。この研究はあくまで、熱帯と寒帯といった極端な気候の地域に住む男女を比較した結果であるということです。
たとえば、北海道に住む男女と沖縄に住む男女ぐらいの気候の差でもこういった男女の性への開放性の違いが出てくるかは分かりませんし、日本ではそういった事例は確認されていません。
ですので、大ざっぱに地球規模で見た時に、寒い地方の女性や暑い地方の男性は性に開放的であるという豆知識程度に覚えておくといいかもしれません。
こういった研究に興味がある方は、以下の本に「人類の進化と男女関係」についてより詳細に書いてあるので、読んでみるとよいでしょう。
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